皆さん、こんにちは!
はじめてのひとは はじめまして。
劇団員のYuiです。
GW期間中、皆さんはどんなことをして過ごしましたか?
私は本当は旅行が大好きなので、
旅行サイトで 気分に浸かったり、
オンラインショッピングを楽しみました。
(また服が増えてしまった…)
自粛期間が解除されたら ゆっくり温泉旅行にでも行きたいです…(^_^)
そして、もう一つ。
映画を沢山観ました。
オンラインでもrainbow paradeが開催されたように、
家にいながらLGBTに触れられる作品も多数あったので
いくつか紹介していきたいと思います。
①
▶️『キャロル』
時は1950年代のニューヨーク。
大きなデパートのおもちゃ売り場で販売員として働くテレーズと、
子供へのクリスマスプレゼントを買いにやってきたキャロルの物語です。
テレーズにはボーイフレンドが、
キャロルには夫と子どもがいましたが
2人の出逢いは必然かのように次第に惹かれ合っていきます。
この作品のテーマは
「偽りの自分であってはいけない」という
キャロルの強い信念ではないでしょうか。
キャロルと夫のハージには娘がいました。
夫を愛せないキャロルですが、娘は彼女にとって最愛の存在です。
ハージはその娘の親権を利用して、キャロルを自分のもとへ引き留めようと画策します。
しかし、キャロルは最後には自分らしく生きる為、テレーズと一緒になることを選びました。
自分を愛することの大切さ
そんなメッセージをこの作品から受け取りました。
個人的には衣装や小道具、セットが本当に美しくて、
2人でメイクをしあう姿にもとても幸せな気持ちになりました。
何度でも見たい映画です。
②
▶️『チョコレートドーナツ』
1970代後半のカリフォルニアで
ゲイのカップルが、育児放棄されたダウン症の子供を引き取って育てようとする話です。
少年の監護権を巡り、
赤の他人でありながらその子に多くの愛情を注ごうとする同性愛カップルと、
彼らを激しく異端視する周囲の社会との軋轢が描かれています。
知ってる方も観たことある方も多いのではないでしょうか。
物語の最後にはえ?…となってしまうような作品でした。
だからこそ強く印象に残りましたし、
観て良かったと思います。
この映画をきっかけにlgbtについて考える人が増えると感じました。
そして、この映画の舞台から時は40年経ちましたが、
どれほどまでに社会は変わったのだろうかと思い出されました。
映画には裁判のシーンや
弁護士とのやりとりが多く出てきましたが、
「司法」の在り方について今一度考えるきっかけとなりましたし、
何より「好きな人と一緒にいる」ことの有難さを噛み締めながら鑑賞しました。
③
▶️『彼等が本気で編むときは』
唯一の邦画を紹介します。
トランスジェンダーの女性リンコと
その恋人マキオ。
そして母親から育児放棄を受けた マキオの姪のトモ 3人が共同生活を送る中で、
それぞれの幸せの形を見つけていく物語です。
リンコは誰もが知ってる有名な 生田斗真さんが演じられているのですが、
髪型やメイク、衣装などは勿論ですが
ひとつひとつの仕草や話し方が丁寧で美しく、
本当に見惚れてしまうほどでした…!
登場人物たちが真っ直ぐに生きていこうとする中でも、
受け入れてくれる人間は全てではなくて、
でもそれを乗り越え
より深い絆で結ばれていく3人の姿はとても眩しいものでした。
何より、様々な「家族の形」「愛の形」が出てきて、
自分に家族ができたとき、
子供が出来たときにこそ、
その人達にとっての幸せをきちんと考えられる人でありたいなと強く思わされる作品でした。
④
▶️『アデル、ブルーは熱い色』
教員志望の高校生のアデルは、
ある日青い髪の画家エマとすれ違い、
まるで出会いは運命かのように お互いの雰囲気に魅了され 引き込まれ 愛し合うようになります。
数年後、教師になる夢を掴んだアデルは
エマと同居をし始め 毎日が幸せに満ち溢れていました。
が、時の流れとともにすれ違いが起きていく2人の姿を描いた作品です。
2013年5月23日に第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でプレミア上映され、
最高賞であるパルム・ドールを獲得しました。
そして、史上初、パルム・ドールは監督のほかに出演女優の2人にも贈られました。
作品はR18指定ですが、
過激な性描写に関しても 情熱的で美しいものだと感じました。
(※が、1人で見るのをオススメします笑)
また、本作は題名にもあるように「青」という色に
色々施策が施されているなと思いました。
出会ったとき、愛し合うとき、
綺麗に輝いていたエマの青髪は、
2人の擦れ違いにつれて 金髪になっていきます。
2人が別れを迎えた後も、
アデルの周りに現れる「青いパラソル」「青いリボン」「青いマット」「青い海」。
そして最後にエマの個展に向かうアデルの服が「真っ青なドレス」が、エマへ持ち続ける愛を表しているのかなと思い、切なくなりました。
異性を好きになるのも
同性を好きになるのも関係ない。
誰であろうと 恋をするのは一瞬だ!というメッセージ性を強く感じました。
学校の友達から レズビアンと言われ差別を受けるシーンがありましたが、
そこは観ていて本当に辛かったし、
やっぱり幼い頃から「自分らしく生きる」「多様性」に対して きちんと理解し合う環境が必要だなと 強く感じました。
以上、厳選4作品の紹介をさせていただきました!
映画の中の物語には 多種多様な登場人物がいて、
彼らそれぞれ取り巻く環境や出会いは様々で、
勿論苦しみや悲しみがあって、
楽しいことや幸せなことばかりではないけれど、
それらは、私たち観客が人生において経験するかもしれない出来事が描かれているのだと思います。
そして、いざ私たちが困難や壁に立ち向かった時、
きっとどこかで力を貸してくれるヒントになってくれるはずです!
皆さんも良い作品があったら是非教えてください。
小説でもドラマでもなんでもOKです!
そして最後に…
個人的に感じたことは、アセクシャルをテーマとした作品がそんなに無いな…ということでした。
※アセクシャル(エイセクシャル)
「他者に対して性的欲求も恋愛感情も抱かないセクシュアリティ」のことです。
厳密には、「他者に対して恋愛感情を抱かない」ことを「アロマンティック」といいますが、一般にアセクシュアルという言葉に「恋愛感情を抱かない」という意味を込めて使用することが多いです。
(job rainbow magazineより)
実は、先日コロナの影響で延期が決まってしまった
GW公演「ライカは恋をしない」も
アセクシャルをテーマにした物語でした。
多様なセクシャリティがある中で、
少しずつ でも理解が広まっていけばいいなと思いますし、私も知りたいと思います。
その為には、私たち演劇集団lgbti東京でも、
表現者の一員として
「自分のセクシャリティで演じる」ことを自信を持って続けていきたいです。
早く皆さんと舞台上でお会いできるのを楽しみにしています。